借入金の返済が苦しくなったらリスケジュールを交渉してみる

融資を受ける時点では十分余裕のある返済計画を立てていたとしても、その返済の原資を生み出すための経営は必ずしも順調に推移するとは限りません。

予期せぬ要因により経営状況が悪化し、計画通りの返済が苦しくなってきた場合は、それ以上状況を悪化する前に、早めに銀行にリスケ(リスケジュール)の交渉をすることが大事です。

リスケ(リスケジュール)について

リスケ(リスケジュール)とは、当初の返済計画通りの返済が難しくなった際に、返済金額の変更(返済猶予)や返済時期の変更(条件変更)をすることです。

通常は、一時的にある一定期間、元金返済額を減額してもらったり、又は支払いを利息のみ(元金返済はゼロ)にしてもらい、返済期間を延ばしてもらう事になります。

リスケの目的

リスケは一時的に返済負担を軽減することにより、経営破綻を防ぎ、事業を継続させる為に行うものです。

そしてリスケをしてもらっている期間に、また経営状況を回復させることで、元の返済計画通りの返済に戻すことを目的としています。

リスケのメリット・デメリット

リスケのメリットは、資金繰り改善の為に新規融資を探したり、追加融資を交渉したりするよりも早く実行可能である事や、返済負担額が減る事で資金繰りに余裕ができるので、その分経営状況の改善に回すことができる事です。

一方リスケのデメリットとしては、一時的であり最長でも1年程度であること、元金の支払いは減額又はゼロにすることができるが、金利は減額されず必ず支払わなければならないことなどがあります。

その為、1年で状況を改善できる見込みがない場合や、リスケ期間中、金利の支払いさえもできないような場合はリスケ以外の方法を考える必要があります。(結果として1年で状況が改善できなかった場合でも、銀行との交渉で再度見直しにより延長する場合もあります)

また、リスケ期間中はその金融機関からの追加融資は原則できないうえ、貸付先の区分として「要注意先」に区分されてしまう(銀行からの評価が低くなる)というデメリットもあります。

リスケの交渉における注意点

返済が苦しくなったからといって、申し込めば無条件にリスケができるというわけではありません。

また、リスケを認めてもらえなかった場合、不良債権扱いにされて法的措置をとられ、会社が破綻に追い込まれるかもしれないというリスクもあります。

銀行にとっては貸付先が破綻してしまうよりはリスケに応じることで企業を延命させ、元金を少しでも多く返済してもらい、金利を少しでも多く支払ってもらいたいと考えています。

しかしながら「要注意先」に区分することで、銀行は貸付額の数パーセントを貸倒引当金として費用計上しなければならず、会計上の利益を減らすことになってしまいますので、喜んでリスケに応じるというわけにはいかないのです。

ではどうしたら銀行にリスケを認めてもらえるのでしょうか?

正直であること

リスケの交渉をするにあたって最も重要な事と言っても良いでしょう。

リスケを認めてもらいたいが為に、返済が困難になった理由や今後の対策、見通しなどを脚色して伝えても、後で自分の首を絞める事になります。

また、リスケに必要な提出書類も正直に実情を書く必要があります。

他には、過去に粉飾などの不正があった場合は修正した決算書を作り直した上で正直に伝えなければなりません。

他の金融機関との交渉があればそれもきちんと話す必要があります。

もし隠したりしたことや嘘などが発覚すれば、完全に信用を失います。そこで交渉は打ち切りとなり、再交渉の余地もなくなります。

逆に自分たちに不都合な事であっても正直に話すことで、銀行も困難を乗り切るために一緒に考えてくれるでしょう。

事前通知なく延滞はNG

リスケ前であっても、リスケ実行後であっても銀行への事前通知なく支払いの延滞をすることは厳禁です。

事前通知のない延滞はそれだけで不誠実もしくは資金管理がずさんと考えられてしまいます。そのような債務者に対し、銀行は簡単にリスケに応じてはくれません。

どうしても延滞せざるを得ないような場合でも、事前に、それもできるだけ早く通知するようにしていれば銀行も相談に乗ってくれるでしょう。

出来る事と出来ない事はハッキリ伝える

リスケの交渉において、こちらの希望する返済条件が全て通るとは限りません。ですが、実情を正直に話し、できるだけ有利な条件でリスケに応じてもらえるよう、希望はきちんと伝える事が重要です。

逆に銀行側もリスケをする条件として、金利や手数料のアップ、追加の保証人や担保の差し入れ、積み立て預金や定期預金の依頼、メイン口座の変更などを要求する場合があります。(融資の際に銀行が優位な立場を利用して定期預金などを要求するのは「歩積み両建て」と言って原則禁止されている行為です)

リスケの交渉を進める為には、銀行側の要求も少しは飲まなければ前進しない事もありますが、かと言って全ての条件を受け入れる必要はありません。特に保証人や担保の追加差入は断った方が良いでしょう。

リスケを受け入れてもらうために無理して条件を飲んでも、後でそれが経営再建の障害になる可能性もありますので、無理なものは無理とハッキリ伝えておくべきです

誠意を持って粘り強く交渉をして、銀行の要求を最小限にしてもらう事が大事です。